資金調達の主な方法としては、以下の3つがあげられます。
① 事業主・関係者から借入
個人事業主様の場合は、「事業主借」として扱われ利益に関係しませんし、返済の義務も生じてきません。 一番手っ取り早い資金調達方法といえるでしょう。ただ、ご自身の預貯金を大部分使い切ってしまうような状況はお勧めしません。(借入することも検討しましょう。)
医療法人様の場合は、「短期(長期)借入金」として扱われ、返済義務が生じてきますので、個人に返済しないといけません。
また、関係者の方より借入した場合、贈与とみなされないために「金銭消費貸借契約書」を作成し、返済計画を立て、定期的に返済していることがわかるようにしなければなりません。
② 助成金の適応
助成金の応募内容に合致している診療内容であれば、助成金を申請してみるというのも良い手でしょう。
③ 公的機関・金融機関から融資を受ける
民間融資もありますが、まず公的融資を検討してみてください。 公的融資は医療機関の充実を図るために政府・自治体が中心となっている融資制度であるため、融資する際に金利が低いなどのメリットがあります。 地方公共団体、各自治体により内容が異なりますので、検討される際は是非一度相談されることをお勧めします。また、民間金融機関でも医院経営をされる院長先生向けの融資がございます。
当事務所では日本政策金融公庫をはじめ、各種金融機関をご紹介するとともに、事業計画の作成など煩雑な資金調達に関するあらゆる段取りを行い、余裕をもった資金調達のため、以下のサービスを行っております。
開業時の自己資金は、必要資金(内装工事や機器などの設備投資額に人件費や家賃、数か月分の事業主様の生活費などの運転資金額の合計額です)の5分の1くらいは確保しておいて下さい。
自己資金で間違いやすいのが、事業主様関係者からの借入金です。これは見せ金と判断され、自己資金にはカウントされません。
開業相談でよくあるのが、親からの借入金や配偶者の預金を自己資金と思われているケースです。担保や保証人があれば大抵お金は貸してくれますが、金融機関は事業主様の計画性を見ていますので、事業主様ご自身が定期的にコツコツと預金をしているかも重要になります。
金融機関から融資を受ける際には、事業計画書の策定が必須になります。ここで将来に向けて明確な経営計画が練られているかを判断されます。 経営計画における試算が具体的であればある程、短期間でスムーズに融資が受けられます。当税理士事務所では、これまでの実績を活かし、先生の診療方針に合致した事業計画書を策定致します。
①その計画、運転資金を確保していますか?
開業時の資金調達の一つとして金融機関からの借入金がありますが、利息や返済元金の軽減を考えてしまい、最低限の必要資金の借入しかされませんでした。
しかし予想通りの来院患者数を確保できずに、1年も経たないうちに資金がショートしてしまいそうになりました。このような場合、金融機関は追加の融資をしてくれません。
このケースの場合は、保険の見直し・解約や事業計画書の見直しなどにより何とか倒産は免れました。
このようなことにならないよう、開業時の借入金は借りれるだけ借りましょう。資金がショートせず、軌道に乗れば余剰に借り入れた分は繰り上げ返済すればいいのです。
②資格を持たないコンサルタントにご用心!
税務関係の届出書をご自身で提出されたり、コンサルタントに任せたりされる先生がおられました。
コンサルタントがテナント契約が2月だったので開業日を2月として8月に開業届と青色申告承認申請書を提出しました。税務署に開業から2か月が経過しているので青色申告は来年からと言われていました。
そもそも税理士でないものが税務関係の届出書を提出したりすると税理士法違反で罰せられるのですが、それは置いておきまして診療所の開設届を確認しましたところ、7月31日でしたので、先の届出書をすべて取り下げ、9月中に新たに提出し直し、青色申告の恩恵を本年度から受けることができるようになりました。
先生方も適切な専門家とお付き合いされ、くれぐれも損をしないようご注意ください。
③格安業者に注意してください!
設備投資額は少ない方がいいとお思いかもしれませんが、20年は付き合っていく診療所ですので開業時の設備投資額だけを見るのではなく、20年間トータルしてどちらがコスト的に得なのかを考えることが必要です。
コンサル会社が連れてきた内装業者に任せたところ、建付けが悪く扉のスライドがガタガタになったり、導線が悪く非効率な動きをしなければならなくなったなど、いろいろなトラブルを多く見てきました。
そこそこ高くても名のあるメーカーにお願いすることをお勧め致します。
当事務所では、業務提携している信頼のおけるハウスメーカー、内装業者をご紹介いたします。